ソーラーパネルに囚われた日本の太陽光発電産業

2020年のコロナウィルスの流行により、中国での太陽電池のサプライチェーンが混乱し、物流が滞り、注文が殺到したほか、輸入元の一つである日本にも波及し、日本での太陽電池の納期遅延が度重なるなどしていた。しかし、2021年間で世界的な流行が安定するにつれ、この問題は予想通りには消滅せず、逆に深刻化し、それに伴いソーラーパネルの価格も高騰している。長く続くかもしれないこの状況にどう効果的に対処するかは、日本の太陽光発電業界が今直面している問題である。

日本の太陽光発電業界は変革が必要である。

ソーラーパネル製造に戻り、技術的なブレークスルーに焦点を当て、ソーラーパネルの現地生産または海外工場建設にかかるコストを継続的に削減する技術を利用する。実際、日本は太陽電池の製造では優位に立てないものの、技術面ではトップクラスの地位を保っている。現在、世界の太陽電池市場で最も価値のある特許トップ10のうち3つが日本企業によって保有されており、日本の株式会社LG は1187万米ドル相当の世界一価値のある特許を保有している。

日本でのソーラーパネル開発の可能性はまだ残されており、海外の安価な労働力と自国の技術を組み合わせることで、需要のひっ迫を緩和することができるかもしれない。

政府にとっては、現状に最も有利な政策を立案することが急務である。現在のFIT制度は、日本の太陽光発電業界にとって、より困難な状況になることは明らかである。太陽光発電プランナーズ協会（JPPA）によると、現在のFIT・FIP制度実施の暗黙の条件は、太陽光発電の資材価格の引き下げであるはずだが、現在の太陽光パネルの価格は上昇する一方であり、個別条件の修正を検討する必要があるとしている。今回の危機の多くは、個々の企業では対応できない、また対応できない国際的な市場環境の変化に起因していることは否定できない。補助金申請の条件を緩和し、地元の太陽光発電産業の保護と支援を強化する。 政府の何らかの支援があってこそ、これらの企業はこのハードルを乗り越えられるのだ。